MONCLER GAMME BLEU
トム・ブラウンの先見性が際立つ、
話題のセカンドシーズンが発進。
10 1/20 UPDATE
昨シーズン2009A/Wにセンセーショナルなデビューを飾った、トム・ブラウンがデザイナーを務めるモンクレール社の新ライン、モンクレール ガム・ブルー。
今季2010S/Sは、キャットウォークの常識を覆すプールで行われたスペクタクルなプレゼンテーションと、エキセントリックな提案によって、ファーストコレクション以上のインパクトを与えた。
その衝撃に負けず劣らず、個々のピースの完成度も抜きん出ており、ここ最近あまり見られなかった新鮮な印象のグレーのアノラック、ヴィンテージライクなオリジナルのファスナーのマドラスチェックブルゾンなど、オーソドックスなアイテムを、両者の持つ技術とアイディアによって、他社を一歩リードする先見性に秀でたヴィジョンを提示している。
確かにファッションにおけるオンタイムな提案は、ユーザーにとってリアリティが高く、セールスにも直結する場合も多いのだろうが、誰もがそれだけを行っていたらクリエイションは停滞の一路を辿る。となると、シーン全体を通じて、こうした前衛的なコレクションの必要性は、ジャンルの更新という意味でも大いにある。メンズファッションの創造性を拡張するトム・ブラウンの活動は、これからの時代にどのような影響を及ぼすのであろうか。そのような視点からも、モンクレール ガム・ブルーは、プレタポルテの世界において特質的なポジションを担う、重要なコレクションなのだといえる。
Text:Tsuneyuki Tokano
Photo:Masaki Sato