Linda Farrow
ファッションブランドとしてのアイウエアを提案する、
リンダ ファローのマネージングディレクターが来日。
09 12/24 UPDATE
リンダ ファローは、1970年に設立したファッションブランドで、一時期休業していたのが、2003年に創設者の息子であるサイモン ジャブロンの手によって再スタートを切った。そのアイウエアコレクションは、自社製品のデッドストックから、有名デザイナーとのコラボレ―ション、ハイエンドなスペックのラインなどなど、いくつかのセグメントに分かれ展開されている。そのユニークな事業形態や商品の魅力に触れるべく、来日したサイモンを訪ねた。
──あなたは主にどのような業務を担当しているのでしょうか?
「私はマネージングディレクターというポジションで、商品のディレクションも行えば、アカウント業や商品管理なども行いますし、事業におけるすべてをコントロールしています」
──アイウエアは製作も販売も、その他のファッションアイテムと異なることが多いと思うのですが、そこについて思い当たることはありますか?
「一番難しいことは製作から販売までのタイムラインを組むことです。コラボレ―ションなどを行う場合もここは極めて重要です」
──実際に製作期間はどのぐらいかかるのでしょうか?
「原型を作るのに4~6週間ぐらいかかります。そこからデザイナーとやりとりして修正などを行います。場合によりけりですが、アイテムの立案から店頭に並ぶまで、半年から8ヶ月前後かかります」
──アイウエアのクオリティについてのこだわりを教えてください。
「信頼できる工場であること、上質な素材であることを前提に、フィニッシングからフィッティングまで、かけた時の感触に繫がる、細部の目に見えないようなところまでこだわっています」
──他社のアイウエアとの違いはどこにありますか?
「最大の違いは、我々はアイウエアのブランドではなく、ファッションのカンパニーだということです。だからこそ製品はあくまでファッションアイテムで、だからこそ最新のキャットウォークのムードやトレンドなどを忠実に反映することができるのです」
──そこはリンダ ファローのアイウエアを読む上で重要なポイントですね。コレクションはどのようなラインに分かれていますか?
「ひとつはリンダ ファロー ヴィンテージです。これはいわゆるデッドストックなのですが、これは以前から意図的に眼鏡屋でなくブティックで販売していました。コラボレ―ションでは、よりファッション性を尊重しながら、デザイナーのパーソナリティを投影することに重点に置いています。プロジェクトというラインでは、コレットやハローキティの企画もここで行いました。現在では若手のデザイナーにアイウエアをつくるチャンスや機会を設けていたりもします。私とパートナーで手掛けるラックスでは、ヴィンテージの希少性をうまく応用しながら、最上級の素材をのせ、今の時代に合わせています」
──東京のショップにどのような印象がありますか?
「日本はショップが非常に多く、どれも選びがたいのですが、強いてあげるとすれば、青山のコルソコモ、デパートでは伊勢丹、リステア、エストネーションも、リサーチの段階ですばらしいと思いました。他の国だと主要都市に3店舗よいお店があればいい方なのですが、東京は本当にいろいろなタイプのショップがありますね」
──最後の質問なりますが、ブランドとショップの理想的な関係いついての教えてください。
「店頭に並ぶ商品はいかにすばらしくても、シーズンが過ぎれば入れ替わりするわけですが、ブランドは持つ背景にあるエッセンスを製品を通して伝えることができるような環境は、非常に理想的であると思います」
Text:Tsuneyuki Tokano
Photo:Tsukahara Shusei
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