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今年で設立120周年を迎えたランバン。近年メゾンの発展に大きく貢献した、アルベール・エルバスとルカ・オッセンドライバーらが来日し、去る10月28日、両国国技館にて、メンズ・ウィメンズ合同の2010S/Sコレクションのランウェイが行われた。

日本の伝統に敬意を称し、その様式を取り入れたオープニングは、なんともフランスらしく文化的であり、その後の展開はスムーズかつストレートで、一流のメゾンによる一流の服が、一流のモデルを通じ、来場者へそのポテンシャルの高さをダイレクトに伝えきった。当然ながらこのショーの成功の背景には、メイキングに携わったスタッフ全員の尽力があり、いうまでもなく彼らもまた一流なのである。リハーサルの段階から、当たり前のことを順当に、そして完璧にこなし、この数年ハイファッションの最前線でシーンをリードしてきた実力を見事に証明してみせた。

アルベール・エルバスのディレクションの下、いまやモードの世界において安定したポジションを築き上げたランバンのコレクションは、その躍進のキッカケとなった群を抜いた先見性も健在で、次のトレンドへ向けられたエッジな提案が、スタイリングやヘアのいたるところに配されていた。

こうしたありとあらゆるエッセンスとショーの完成に至るまでのプロセスのすべてがパッケージングされた空間は、会場にいるすべての人々に贅沢で有意義な時間を提供したのであった。

Text:Tsuneyuki Tokano
Photo:ShuseiTsukahara