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ビューティ&ユース ユナイテッドアローズがここ数年あたため続けている商品構成の基軸のひとつとして知られているプロジェクトがボブ＆グラハムである。

2名のヴィンテージクロージングのバイヤーとともに、毎シーズンテーマを決め、今季2009F/Wでは、メンズは「Ginsberg "THE BEAT GENERATION"」、ウィメンズでは「Black Noir Black,Global Horsewoman」というテーマに則して商品のセレクトが行われている。

チームの一人であるボブ メレットは、1980年代から某有名アメリカブランドのヴィンテージバイヤーとして活躍し、NYに2つのショールームを構え、多くの有名ファッションデザイナーを顧客に抱えている。一方、グラハム キャシーは、ロンドンに拠点を構えるバイヤーで、グラハムと同じく80年代に、バンド活動しながらヴィンテージの世界に入ったそうだ。現在はホーランドパークにアポイント制のショールームを構え、映画やTVコマーシャルのスタイリストとしても活躍している。ヴィンテージ関連の仕事では、主にファッションデザイナーへのデザインソースの提供とコーディネイトの提案を行っているそうだ。

現在ファッションの世界が抱える現実的な問題として、毎シーズン無数の新作がリリースされてこそはいるものの、目新しいものが本当に生まれているかというと、一部の例外を除けばそうでもなく、これは大きな課題点として挙げられる。そうしたなかで、彼らボブ&グラハムが提案するようなヴィンテージコレクションには、時代を超えた鮮度があり、次の創造や発展へと繫がる無数のヒントが多く隠されている。それらは、今の服とのコーディネイトの中で発見されるのかもしれないし、興味を持った時代背景を調べることで見つかるのかもしれない。それこそ解釈・応用の仕方は、個人の自由であるべきである。そしてもっとシンプルかつストレートな見解を述べれば、ヴィンテージクロージンングには、時間の負荷に耐え切った魅力があり、現代の衣服とのフィッティングの差を工夫によって埋めることができれば、ワードローブの強力な戦力として並べられるはずだ。

Text:Tsuneyuki Tokano
Photo:Masaki Sato