honeyee.com ｜Web Magazine「ハニカム」

デザイナーである岡沢高宏の機能美に対する確固たる哲学をベースに、コンテンポラリーなリアルクローズを展開する〈CLS〉。その最新コレクションにおいて、兼ねてから親交の深い西山徹（WTAPS）にグラフィックを依頼したTシャツがリリース。この意外性溢れる組み合わせにいたった経緯やデザインに込めた想いについて、西山徹に話を伺った。

「彼とはプライベ−トでもよく食事に出たりしますし、割と付き合いが長いので気の知れた仲間といった感じでしょうか。

今回のオファーは意外でしたが、特に違和感はありませんでした。彼は自分のしていることに敬意を払ってくれていましたし、自分は彼自身のことをよく知った上で引き受けたと思っていますから。

彼は自分の知る誰よりも東京に対してホームタウンプライドを持った人間です。それはある意味、彼自身が育った新宿という街に絶望と希望を同時に持っているかのようにも自分は感じます。あくまでも自分の解釈ですので、彼自身は否定するかもしれませんが......。彼からのオファーを受け自分が関わる以上、そこが少しでも彼に伝わっていれば幸いです」。

お互いのクリエーションを通して会話を交わす。両者だからこそ形作れたそのプロダクトは、ときとしてファッションはコミュニケーションツールに成り得ることを証明しているといっても過言ではない。コラボレーションをすること、その意義を改めて認識させてくれる有機的な試みと言えるだろう。

Text:honeyee.com
Photo:Masaki Sato