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パリを拠点に活動し、従来のアメリカ人のファッションデザイナー以上に、国際色豊かな活躍を見せ、ある種の壁を突き抜けたデザイナーとして、世界的な評価を受けるリック オウエンス。パリ、ニューヨーク、ロンドンと続き、世界で4店舗目となる『リック・オウエンス東京ストア』をオープンした。以下がこのストアについてのリック本人のコメントである。

「東京のブティックをオープンすることをとても嬉しく思っています。日本は私にとって、常に純度の高い美意識の基準となっています。このブティックは『洞窟・岩・炎と毛皮』という私にとっての究極の理想に基づいてデザインしました。その場で組み立てた型枠を使ったコンクリート作品は正しい『ル コルビジェ』のテクスチャーを得るための数々の実験の成果だといえます。この技術によって私のファニチャーコレクションで完成したものです。私はブティックに自身の蝋人形を設置するという馬鹿げた慣習に捉われています。それはパリの自宅用に個人的な企画としてスタートしました。いうなれば、家の暖炉の上に掲げている、主人の肖像画のようなものです。これは私にとって、虚栄と死への皮肉な挑戦でもあります。とはいえ、自宅で自分自身を見続けることにもううんざりしましたが、パリストアの蝋人形はお店に独特の雰囲気をもたらしたのです。ヴィワラ。ロンドンストアではロンドン出身のオスカー ワイルドの戯曲『サメロ』を象徴する私の生首があります。東京ストアでは、歌舞伎にある鬼変化とゴジラ映画にちなんだフィギュアが設置される予定です。そして東京ストアはリック オウエンスのすべてを展開します。リック オウエンスのメンズ＆レディスコレクション、ダークシャドウ デニム、リリ-ズのジャージ、パレ ロワイヤル ファー、その他のアクセサリーに加え、長年気に入っている書籍、CDとDVDなど...。楽しんでくださいね」

上記のコメントからも分かるように、このリック・オウエンス東京ストアでは、ファッションアイテムのみならず、オブジェや家具も含め、店内のほとんどのアイテムが購入可能だそうだ。モダニズム的な内装の様式と、ファーアイテムをなどが象徴する、なんとも人間らしい有機的なコレクションとのコントラストは、彼自身を写し出す鏡のようであり、店内のすべてに一貫してそうしたムードが流れている。

Text:Tsuneyuki Tokano