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DIM MAK COLLECTION
ありそうでなかったアイディアが光る、
時代性を帯びたTシャツブランドの新境地。
09 7/16 UPDATE
LAを拠点に活動する、DJ兼音楽プロデューサーのスティーヴ・アオキがプロデュースする、ディム マック レコーズのプロモーションの延長としてスタートした、ディム マック コレクション。2009F／Wから日本での本格的なデビューとなる。ファッションの畑とは異なる感性と、Tシャツ作りのトレンドを意識したアパレルの技術が重なり、キャッチーなテイストに仕上がっている。そして彼らのクリエイションは流行のもう数歩先へと進んでいる。
こちらに並ぶオフホワイトのTシャツは、付属するカラーペンで、塗り絵感覚で自分だけのTシャツ作りを楽しめるという、ありそうでなかったアイディアが光る企画である。さらにいえば、ペイントを楽しみながら、いわゆるファッションの世界における一点モノが完成していく、という優れモノなのである。
近年アパレルの製作は、技術的な選択肢が豊富になり、それぞれの精度は確実に向上している。が、それに反し、クリエイターがこれらを結びつけ、製品としてディレクションしていく能力はというと、必ずしも成長しているとはいいがたく、こと日本に関していえば、この傾向は以前から非常に強い。
そこで必要となってくるのが、マンネリ化を打破するための、ユーモアに溢れる創造力や、他の分野から得た刺激的なインスピレーションであり、そこに製品化における確かな技術力が加われば、なお頼もしい。これに限らず、理想的なクリエイションを完遂するためのいくつかの好条件が揃えば、これまで予想だにしなかった新しいファッションが現れ、徐々ではあるが次の時代が開かれていくのであろう。
Text:Tsuneyuki Tokano
Photo:Masaki Sato
