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ロバート・ワン・タヒチは、その世界では知る人ぞ知る、ブラックパールに特化したブランドである。

今から100年ほど前に創設者のロバート・ワンは、ミキモトパールの御木本幸吉との交流によって、タヒチに日本の技術者を呼び寄せ、長い年月をかけてビジネスの地盤を築き上げていった。そして今現在、彼らのパールは、アメリカの宝石学会から宝石としての認められ、その品質の高さから、シャネル、カルティエ、ハリー・ウェストン、ヴァンクリーフ＆アーペル、ブシュロン、ミキモトらの錚々たるブランドから支持を集めるまでに至っている。

真珠は数ある宝石のなかでも、唯一生物から産出される宝石である。それゆえに、その姿形は神秘的で、同じ形状のものはこの世にひとつと存在しない。

このパールの特性を活かすためのごくシンプルなパーツで結ばれたロバート・ワンのジュエリーは、一般的なファッションアイテムとは異なる美的概観を有している。

Text:Tsuneyuki Tokano
Photo:Masaki Sato