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イザック セーラムは2002年にパリで設立されたファッションブランドであり、デザイナーのイザックは、15歳の頃に皮革製品ミシンを購入してレザージャケットを製作して以来、その後さまざまな企業間を渡り歩き蓄積してきた技術や経験をアウトプットするために自らブランドを立ち上げたという。

なかでもコレクションを象徴するレザーアイテムは、希少性だけでなく、彼が思い浮かべる「ロックンロール×バイカー」のイメージや「ユニークなものを求めているユーザーへ」という意図を端的に示している、もっとも重要なカテゴリーなのである。

その一例として挙げる今季のラムレザーのジャケットは、手作業による柔らかさや温かみだけでなく、リバーシブルでの着用が可能であったりと、多様なエッセンスが濃密にパッケージされた完成度の高い一枚である。また価格と内容を照らし合わせると、コストパーフォーマンスに秀でているという側面も見えてくる。

いまやレザージャケットは、市場における人気やクオリティが安定している反面、作り手のアイディアがやや飽和しているようにも見受けられるが、一部の有能なクリエイターを見る限り、創意や工夫次第でまだまだ進化や更新が期待できるジャンルなのだといえるはずだ。

Text:Tsuneyuki Tokano
Photo:Masaki Sato