ROLLAND BERRY
日本での復活をかけたハードな戦いを備え、
LAファッションシーンのキーパーソンが来日。
09 2/23 UPDATE
次世代のファッションブランドが次々と名乗りを挙げ、緩やかに変化の兆しを見せはじめたLAのファッションシーン。さらはここ日本でもLAを代表する世界的に有名なセレクトショップの支店がオープンするという噂が流れはじめている。
そうした動きがあるなかで、以前のムーブメントを牽引していたキーパーソンのひとりであるローランド・ベリーが緊急来日を果たした。そこでLAの現状などについていくつかの質問を投げてみた。
ここ最近のLAのファッションシーンについて教えてください。
「俺はその辺のことはまったく意識してなくて、自分自身の表現をすることだけを考えている。RBCのラインでは1960~70年代のカリフォルニアにフォーカスを当てていたりはするけど」
新旧問わずLAで気になるブランドはありますか?
「正直いってLAで気になるブランドはないよ。質問の内容と少しずれるけど、日本のマスターマインド・ジャパンはリスペクトしている。スタッフの藤田とは個人的に交友があって、彼のディテールや素材へのこだわりは本当に尊敬に値するものがある。俺はついついグラフィックやプリントの技法の方に関心がいきがちだしね(笑)。ヨーロッパではマルタン マルジェラかな。やっぱり自分とテイストが違うブランドが気になるね。LAのブランドはだいたいの手の内が俺の想像の範疇だから」
日本のマーケットに関していえば、LAのファッションブランドは以前の勢いを失い低迷している状態であったといっても過言ではないと思いますが、今後の巻き返しは可能だと思いますか? また仮にそれが可能だとした場合、該当する商品はどのようなモノだと思いますか?
「俺はアメリカで、バーニーズ ニューヨーク、フレッド シーガル、サックスのバイヤーらと意見交換をしながらいい商品を提供できるように心がけてきたし、そうやってムーブメントをつくってきたと自負している。今のファッション業界はコストやベネフィットの視点からテイストや企画を決めているブランドが多すぎる。そこで俺はバイヤーたちに『I DO NOT CARE TREND』とよくいうんだ。つまり、商品の開発であろうと、なんであろうと、トレンドを気にせず自分だけの明確なコンセプトを持つべきだと」
LAと東京のそれぞれベストだと思うショップは?
「LAならバーニーズ ニューヨークとフレッド シーガルだね。彼らは10年ぐらい仕事をともにしている運命共同体だよ。日本ではバーニーズとラブレスかな。これからバイヤーやスタッフと交流を深めていきたいと思う。でもビジネスという観点で一番大切なことは、各ショップやコンシューマーと共通の認識を持つことで、それがあることがもっとも重要なんだと思う」
あなた自身もシビアな戦いになることが予想されますが、今後の展望について教えてください。
「そうだね。『WORKING HARD』という姿勢で、やるべきことを真剣に取り組むだけさ」
Text:Tsuneyuki Tokano
Photo:Shusei Tsukahara
[問] ROLLAND BERRY JAPAN
Tel : 03-3443-6808
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