Six Sents Series One
ファッションをプレイするという感覚を得た、
先鋭的なアプローチで仕掛けるフレグランス。
08 12/10 UPDATE
シックス・センツとは、世界的なフレグランスメーカーであるSymriseと、NYを拠点に活躍するMetaprojectによって、2008年11月に発足したプロジェクトである。その概容はというと、高い実績を誇る名立たる6人の調香師と、新進気鋭のファッションデザイナー6名とが対になり、6つのフレグランスを製作し、売り上げの一部をDAA(※デザイナーズ アゲイスト エイズ)に寄付することで、HIVの予防への関心を促すという試みである。この企画のPRのため、ジェレミー・スコットを中心としたメンバーが来日。その真意について触れてみた。
「以前I-Dマガジンのテリー・ジョーンズから誌面上でシムライズと香水をつくる機会をもらったことが、すべてのはじまりなんだ。そのあとメタプロジェクトのカヤと出会えて、企画のおもしろさだけでなく、なにか社会的な貢献も、ということでプロジェクトが膨らみを増していったんだよね。もちろん僕はファッションデザイナーだから、昔から香水を創りたいって願望はあったよ。でもそれをやるってことは、簡単なことではないと分かっていたし、発売できたからといっていきなりヒットするようなものでもないから。なにより今回のプロジェクトの魅力は、薫りだけでなく、パッケージからグラフィックなど、そうしたヴィジュアルの側面も含めて、すべてをプロデュースできることにあったんだ。ココ・シャネルのNO°5もそうだけど、ファッションにおいて香水はすごく大きなビジネスでもあるよね。それともうひとつ、シャネルのNO°5についてでいいたいことは、今回選ばれた6人のでデザイナーのなかで、僕だけが唯一カール・ラガーフェルドと友人なのさ(笑)。そうだね、僕が香水って考えた場合、服を作るのと薫りを創造するのは別物だと考えていて、ベッドへ誘うための道具のような印象が強くて、性的な魅力を高めるっていうか...。それって、動物的な感覚でもあるし、本能に従った行為でもあると思う。そういったニュアンスを強めて僕は自分の薫りを創ってみた。僕らのこのプロジェクトの展望はというと、若い世代へのHIVのおそろしさへの警告になればというのが第一にあるけど、ただガチガチにというわけでなく、ユニークな発信の仕方で伝えたいというのがあるよね。なにより香水ってのは、相手を選ばないってことがいい。性別もそうだし、身体のサイズも関係なく楽しめる。NO°5なんてまさにそうで、ずっと昔からあるけど、いまも存在しているし、これからもずっとセールスされてくんだろうし、香水はこの先の時代も常にあり続けていくものなんだろうね。そもそもシーズンレスなものだし、アプローチの仕方もまだいろいろとあると思うよ」
最後にジェレミーに、東京のファッションシーンや世界的な傾向について、思い当たることを述べてもらった。
「僕は東京が大好きです(笑)。ファッションもすごく影響を受けることが多くて、特にキッズカルチャーにね。これは他の都市で絶対に観れないことで、彼らは西洋の文化を取り入れて入るんだろうけど、まったく別の視点で解釈していて、すごく感化されるよ。ファッションって都市によって異なったパーソナリティを持っていると思うんだ。それらをアクセプトして遊ぶ、さらにいいかえれば、ファッションをプレイすべきなんだと僕は思うね」
Text:Tsuneyuki Tokano
Photo:Shusei Tsukahara
Fragrance 5
Jeremy Scott & Philippe Roques
"Illicit Sex"
50ml 12,600円[税込]
[問] Pred PR
Tel : 03-5428-6484