rag&bone
NYから来日した実力派デザインデュオが語る、
こだわりのクオリティと揺るぎないルーツ。
08 11/07 UPDATE
ラグ&ボーンは、近年話題を集めてきたNYを拠点に活躍するアメリカのファッションブランドのなかでも、こだわりのクオリティと、単なるリアルクローズでは終わらない、どこか毛並みの違うテイストを魅力としている。
先日来日を果たした、マーカス ウェインライトとデービッド ネビルのデザイナ
ー両名に、ブランドのアイデンティティや東京への印象について尋ねた。
「2002年からビジネスを開始して、はじめにデニムを作ったんだけど、正直その当時はブランド化するとは思っていなかったんだ(笑)。2人ともファッションの教育を受けていないこともあって、納得のいくものを完成させるまで約2年かかった。まずNYのイサで取引がスタートして、その後バーニーズで置かれたことでビジネスが一気に広がったよ。僕らはモノ作りにこだわりがあって、生産の95%をアメリカで行っている。最近はロゴに頼るブランドも多いけど、そうしたものではなく確かな品質を求める人達に受け入れられていると思う。オリジナリティに直結していると思うのが、僕ら2人ともイギリス人であることかな。だから拠点はNYだけど、影響を受けるのは当然アメリカだけではないんだよ。サヴィルローのテーラリングなんて、まさにそう。実はブランド名の由来もイギリスのとある風習からなんだ。東京の印象ねぇ? かわいい女の子がたくさんいるな(笑)。ファッションはというと、すごくいろんなショップがあって、しかも密集していて、本当にいろんなスタイルの人がいるよ。アメリカよりも全然レンジが広いし、こんな場所は世界でもここだけだと思う。いまは世界的にファッションが充実しているのは事実だけど、その反面、どうもがんばる方向が違うというか、それが実際にファッショナブルであるかは疑問ではある...。あとはトレンドに依存しすぎていたり、そうした部分も感じられるよ。製品ってことに関していえば、メンズもウィメンズも同じく、クラフトマンシップとかけ離れた中国生産に頼るクリエイターが増えているけど、値段と内容を照らし合わせたコストパフォーマンスで仕上げないと、この先は厳しいんじゃないかな」
競争の激しいアメリカのファッションシーンにおいて、着実に結果を出し続けている彼らの言葉は、フランクな語りぐさとは裏腹に、実にリアリティを帯びている。
Text:Tsuneyuki Tokano
Photo:Shusei Tsukahara
rag&bone store
104 Christopher Street
New York,NY
tel:+1 212-727-2990
http://www.rag-bone.com/
(※日本では、伊勢丹、バーニーズ ジャパン、ユナイテッドアローズ、エストネーションなどの、多くの有力セレクトショップで展開されています)