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1986年にルシアン ペラフィネの自身の名を冠したシグネチャーブランドが世に躍り出てから早くも20年以上の月日が経過した。

カシミアという高級素材に、インターシャ編みやスワロフスキーなどを取り付けることで、ニットにさまざなシンボルをグラフィカルにのせる手法は、彼の代名詞ともいうべき存在となっている。

今では人気のニットウエアやレザーアイテムのみならず、トータルでコレクションを展開している印象も強く、2008F/Wきってのパワーアイテムとして登場したのが、このウォレットチェーンである。

耐食性の強いステンレスとちりばめられたダイヤモンドで連なる外観は、従来のジュエリーとは異なる雰囲気を漂わしている。より具体的にいえば、ファッションブランドのラグジュアリー観とキッチュデザインのアプローチが重なって、結果的に刺激的でアヴァンギャルドなスタイルとなっている、ということが挙げられる。

そもそもチェーンは、パーツが連結することで形成されるために、視覚的に非常にもリズミカルで、ある種の心地よさをもたらす働きを持っている。この視点で読めば、視覚表現に用いる場合、応用範囲が広いことも容易に想像がつき、ルシアン自身もモチーフとして気に入ったそうで、この他に今季のいくつかのアイテムで起用され、次シーズン以降も使われていく予定だそうだ。

この新モチーフが立体と平面の間を往復しファッションアイテムとなることで、ルシアン ペラフィネの世界はさらなる広がりを見せていくことになるのであろう。

Text:Tsuneyuki Tokano
Photo:Masaki Sato