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今季のメンズファッションのマーケットは、既成服の新しい可能性を模索するかのような、トレンドの一歩先を見据えた、先鋭的なニットウエアが数多く並んでいる。

インデビィジュアルセンティメンツのデザイナー伊藤洋子は、1998-2007年までイタリアに在住し、いくつかのブランドでアシスタントを経験、その後、カルペディエムを主催していたマウリッオ アルティエリ率いる1piu iuguale3社に入社。メンズやレディスの衣服の製作を学び、独立後、この2008A/Wで自身のブランドを立ち上げ、初のコレクションを披露した。

女性デザイナーらしい柔らかい印象のニットウエアは、この先も継続されると思われる傾向のひとつである、リラックスしたテイストとフィットし、特にレイヤードで威力を発揮するように見受けられる。

仮に、近い将来こうしたブランドが次々と台頭することで、ビジネスだけでなく、特にクリエイティビティの面において、停滞やマンネリ化が続く日本のファッションブランドに刺激を与えられるのであれば、未来はおのずと明るい方向へ進むのかもしれない。

Text:Tsuneyuki Tokano
Photo:Masaki Sato