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ブルックス ブラザーズとトム・ブラウンの必然的ともいえる邂逅によって、2007F/Wからスタートしたブラックフリース。

3シーズン目となる今回のコレクションは、さらに深くブランドの歴史に足を踏み入れ、アーカイブの影響を強く受けた内容となっている。

数あるアイテムで、もっとも象徴的なアイテムのひとつが、このイートンジャケットである。ヴィンテージ色の強いスタイルながらも、現代の素材とデザイナーの感性によって、新しい時代のための衣服、強いては、アメリカの服飾文化を世界に発信するためのピースとなっている。

一方、カシミアのカーディガンは、スコットランドを象徴するアーガイルと、新旧織り交ぜたディテールが交差することで、さまざまなエッセンスを重層的に内在させた、シンプルかつ高い強度を持ったウエアである。

安易なリバイバルが目的ではなく、新たな歴史を綴るという意識があるからこそ、彼らのクリエイションはこのようなベクトルを形成するまでに到ったのである。

Text:Tsuneyuki Tokano
Photo:Masaki Sato