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ドイツが誇る老舗アンダーウエアメーカーとして名高いシーサー。その最上級ラインとして位置づけられるのがジャック・シーサーである。この創業者の名を冠したコレクションは、100年以上の歴史を持つ同社のノウハウと、現代のエッセンスが邂逅することで誕生した。

そもそもアンダーウエアは、時代の変化とともに歩んできた衣類の代表的な存在であり、古くは身体を拘束するコルセットや、今では立派なアウターウエアとなったシャツ類も、かつては下着として活躍していた。

では、ここに並ぶカットソーのスペックはというと、アンダーウエアのカテゴリーに属しながらも、ヴィジュアルを含め、アウターとして十分耐えうる強度を持つ、現代性がふんだん反映された品々だといえる。価格は高めだが、それに比例してクオリティも長け、スペシャリストだけがなし得る、見事な完成度に到達している。

その具体例のひとつとして、高級素材である超長綿を、その場に応じて巧みに使い、糸のきめ細かさや混紡する素材によって、耐久面や堅牢性であったり、光沢や柔らかい風合いなどを、適材適所で作り出していることが挙げられる。

実際のところ、漠然といい素材を使っているからといって、必ずしも優れた製品かというと、それは否である。特に専門的な分野においては、より高い精度が問われるため、シビアな場では、実力のすべてが顕著に現れる。一概にはいえないが、当たり前のことをどこまでも完璧にこなせるということが、ハイステージでの活躍を目的とするクリエイターに課せられた必須条件なのかもしれない。

Text:Tsuneyuki Tokano
Photo:Masaki Sato