RAF SIMONS

RAF SIMONS

服飾史と向き合い、常識に揺さぶりをかける。先鋭的なプロポーションの提案。

08 6/18 UPDATE

2008A/Wパリメンズプレタポルテコレクションで、ランバンとともに別格のポテンシャルを発揮したのがラフ・シモンズである。明かに他のメゾンを数歩先をいく提案力は圧巻であった。

かつて1980年代にアズディーン・アライアが先導した、ボディコンシャスを彷彿させるスタイルをメンズに導入し、タートルネックのニットウエア・シャープネスなパンツ・ボリューム感のあるシューズを基盤に、先鋭的なプロポーションを造形している。

それらを彩るカラーにおいても有効性の高い提案を披露している。ブラックとグレーの無彩色の合間に時折差し込まれる、ブラウンやオレンジ、レッドなどの暖色は、非常に効果的な役割を果たしており、同じく燃えさかる炎を静止させたかのようなイメージのテキスタイルも象徴的である。

またこのコレクションは2つの性格を内包し、服飾文化への挑戦を行っていることも興味深い。それを具体的に述べると、衣服によって身体を誇張したり変形させるという、西洋の服飾史の文脈に即しながらも、現代のファッションにおける、ジェンダーの境界線の定義に揺さぶりをかけているということにある。

混迷が続くメンズファッションシーンにおいて、このような刺激的な行為は、ジャンルの発展には必要不可欠であり、今後このショーの影響によっては、メンズファッションは次の時代に向けての重要な一歩を踏み出せるのかもしれない。

Text:Tsuneyuki Tokano

[問] sann freres
Tel : 03-3265-0251

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