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ハバーサックは、乗秀幸次が主催する国内外で注目を集めるファッションブランドである。2001A/Wからのスタートで、現代のメンズウエアの根幹をなす、ユニフォーム・ワーク・ミリタリーなどをベースに、オリジナルが持っていた趣きを壊さずに、シルエットやカッティング、縫製などで、現代と向き合い、服作りを行っている。

コレクションのほとんどがオリジナルの生地を用いていて、そこには明確な意図があり、ヴィンテージウエアの多くにみられる、高密度の素材のニュアンスを出すためにある。これがあるとないとでは、ダイレクトに製品の風合いは変わってくる。目的に即した素材を選ぶということは、アパレルの製作において当たり前のような基本であるわけだが、実際にこれ貫徹できるかはクリエイターの力量次第で、想像以上に難しいことであったりする。

ここをクリアして彼らが次に向かうのが、マニアックなディテールの使用である。古きよき時代に生まれた仕様は、なんとも魅惑的なものがあり、これをうまく活用できれば製品のスタイリングを整える上で、非常に効果的な役割を果たしてくれる。

この2点を最大限にいかすためにも、重要なのが、フィッティングである。過去のままではモダンなファッションにはフィットしづらいし、かといってやりすぎると、今度は丹念に作り上げたニュアンスが台無しになってしまう。大切なのは、ベストを尽くすだけでなく、適材適所に力を配する、バランス感覚であり、さじ加減なのであろう。

また、上記の話を踏まえた上で、商品の価格をみると、非常にコストパフォーマンスに優れていることが分かる。彼らは、このアドバンテージがあるからこそ、国内及び海外の厳しいマーケットでもフレキシブルに活躍できるのである。

Text:Tsuneyuki Tokano
Photo:Masaki Sato