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ラルフ ローレンでネクタイデザイナーとして活躍していたロバート ゴドレーは、独立後、自身の名を冠したユニークなアイコンを使ったネクタイを発表していた。そこから誕生したウサギの耳を持つスカルが、もっとも象徴的なシンボルとして成長して、サイコバニーというブランドの設立に到ったのである。

そのコレクションは、少数精鋭といった内容で、シャツやポロシャツなどを中心に、シーズンを追うごとに、徐々にバリエーションを増やしている。ここに並ぶドレスシャツは初展開のアイテムで、襟やカフスにポイントを置きながら、モデルごとに異なるフィットや着丈を設定している。

近年のメンズファッションの細分化の要因を憶測すると、当然テイストの問題もあるが、シルエットがなによりも大きく起因していると思えてならない。

衣服はいうまでもなく着るために存在するものであって、どんなに外観がよかろうと、やはりサイズが合わないとなると、コレクターや作り手が着ること以外の目的で購入するケースを除くと、なかなか販売へと繋がらないものである。この重要点を見逃すと、今のファッションシーンの動向を読む抜くことは極めて困難である。

話題のNYのファッションブランドも、自国アメリカはもちろん、世界のマーケットを視野に入れるのであれば、価格は当然として、輸出国でのフィッティングのニーズをリサーチすることは、マーケットを勝ち抜くための必須事項だともいえる。

Text:Tsuneyuki Tokano
Photo:Masaki Sato