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パリのメンズプレタポルテコレクションにおいて、圧倒的なプレゼンスを提示するランバン。デザイナーのルカ・オッセンドライバーの手腕は、シーズンを追うごとに加速し、もはやメンズモードを牽引する地位にまで登りつめている。

それまでのモードの主流であった、ストイックでシリアスなムードと対照的な、柔らかくリラックスしたテイストを打ち出し、圧倒的な製品の完成度や、ユーモアに富むコーディネイト、抜きん出た色彩感覚などを用いて、新たなスタイルを創造している。

2008S/Sの膨大なコレクションで一際目立つのが、ここに並ぶデッキシューズである。このシューズは、今季のメンズファッションでの最注目アイテムのひとつであると同時に、ランバンにおいては、先シーズン人気を集めたスニーカーに近いポジションに立つものだといえる。

もともとヘビーデューティーの代名詞であるようなアイテムを、まったく異なる仕様にすることで、本来備えていた実用品から質を変化させ、ベクトルを完全にファッションアイテムへと変換させている。

さらには、これから装いが軽くなる時期のパートナーとして、また次の2008A/Wへと向かうための適切な一足だともいえよう。

なんともこのメゾンらしいアレンジで再生された逸品は、新しい価値観を身につけ、実に頼もしく市場に並んでいる。

Text:Tsuneyuki Tokano
Photo:Masaki Sato