LABEL UNDER CONSTRUCTION
絶え間ない実験と技術力で常識に揺さぶりをかけ、次なる衣類のあり方を模索し続ける精鋭。
08 4/16 UPDATE
もはや伝説のブランドとなったシーディエムのニットの生産を担当していたルカ ラウリーニが率いる、レーベル アンダー コンストラクション。スタートから数年の月日が経過し、すでに独自のスタンスを確立。彼の師である父との共同作業と、一貫したコンセプトによって、非常に深みのあるアパレル製品を打ち出している。
彼らの代表的なテクニックである、ストーンウォッシュの進化系ともいうべきダスティーハンドという手法は、これまでになかったドライな表情の実用面に長けたニットウエアを発案し、高級既製服の新たな可能性を見出している。2008S/Sも引き続き、衣服の製作における常識に揺さぶりをかける挑戦を次々と試みている。
今シーズンから登場した新作のブルゾンは、コットンを2枚張り合わせることで特殊な立体感を作り、さらに部分部分をレーザーでカットすることで、これまでにないアクションを可能にしている。得意のニット作りでは、極細のゲージで編むことで、限りなくカットソーに近いニュアンスを生み、アイテムのカテゴライズの境界線をまたぐ、なんとも意欲的なチャレンジを行っている。
安易なコピーブランドが増加する一方で、こうしたオリジナリティの高いクリエイションは貴重であり、ルカのような優れたクリエイターの絶え間ない努力の積み重ねが、アパレル産業の活性を促し、革新的な新製品を発表していくのである。
Text:Tsuneyuki Tokano
Photo:Masaki Sato