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ブルーノ ピータースは、ファッションの先進国であるベルギーが生んだ、新たなる可能性であり、才能である。

ベルギーのロイヤルアカデミーを優等で卒業後、メゾン マルタン マルジェラやクリスチャン・ラクロワで、アシスタントを務めるとともに、ニューヨーク・インダストリーなどの企業でフリーランスとして仕事をこなし、2001年にオートチュールでコレクションデビューを果たす。翌年にはプレタポルテコレクションを発表、その後、多くの受賞を飾った。さらに2007年にはヒューゴのクリエイティブディレクターに就任するなど、まさにファッションのエリートというべきキャリアを歩んでいる。

2007年S/Sからスタートしたというメンズのプレタポルテコレクションは、卓越したテーラーリングを基盤においた端正なルックスという印象を受けるものが多い。そこに若干アヴァンギャルドな要素や柔らかさを足すことで、ただの美しい服では終わらない個性が添えられている。

混迷したメンズモードの世界において、ブルーノ ピータースの美意識がどのように映え、どのような影響をもたらすのであろうか。彼はその動向が世界的に注目される優れたデザイナーであることは間違いなく、その躍進によっては、混戦を極めるモードシーンにポジティブな変化をもたらす可能性を秘めている。

Text:Tsuneyuki Tokano
Photo:Masaki Sato