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目紛しくテクノロジーが発達する現代において、主観と感性に身を任せ、一貫してアナログな手法を用いるジェイ・オウガー・デザインのクリエイションは、ありとあらゆる意味で希有な存在だといえる。

ジャンルや年代問わずに集められたパーツが有機的に連なるプロダクトは、なんとも詩的であり、圧倒的なプレゼンスを醸し出している。初のリリースとなるウォレット＆ウォレットコードも、これらと同じ本質を根底に宿している。

すでにブランドのアイコンになりつつあるステンシルによるブランドネームのプリントやヴィンテージテイストの加工、中心に位置するナバホのコンチョなどなど、どれもが個性とダイナミズムを主張しながらも、不思議とバランスよくまとまっている。一見すると通俗的な懐古主義にも映るこの素材の組み合わせこそが、ジュディ・オウガーの創作を21世紀のプロダクトに押し上げている要因であり、そこには観者には到底読み切れない彼女だけの言語が隠されている。

この最新作もこれまで発表されてきたバッグ類と同様に、とにもかくにも迫力のあるアイテムなので、着こなしも形にとらわれることなく自由に楽しむことが賢明だといえる。このような特出した才能が出現することで、シーンは活性化され、次のステップへと歩を進めていくのである。

Text:Tsuneyuki Tokano
Photo:Masaki Sato