CHRIS&TIBOR
素材と色彩で有機的なフォルムを刻む、
ロンドン発の新進気鋭のバッグメーカー。
08 2/05 UPDATE
2008S/S現在のメンズファッションシーンにおいて、アクセサリー類は、大きなトレンドに縛られることもなく、自由に選択を楽しめるファッションアイテムの代表格として、優々と市場に並んでいる。
それゆえ、本人の自覚があろうとなかろうと、選ばれたアクセサリーは、少なからず身につける人間のキャラクターを映し出す、鏡のような特性を帯びている。そこで重要となってくるのが、クリエイターの提案力とユーザーの審美眼との相互作用である。
ロンドンを拠点とするクリス&ティボーは、奇抜でもなければ保守的でもなく、独自の哲学を持った気鋭のバッグ専門ブランドである。創作のインスピレーションの大半をアートやデザインの分野から得ているというだけあって、ユニークな外見に負けず劣らず、クリエイションの根幹は安定している。
こちらの2点を例に挙げると、バックパックは、従来はアウトドア製品でナイロン仕様で用いられるスタイルを、素材をレザーに変更することで、外観をスタイリングしながら、コーディネイトにおける用途を変化させている。一方、ショルダーバックでは、地となる部分の光沢のある革にはブラックを、マットな質感のスウェードには鮮やかなイエローを配色することで、見事な対比の効果を生み出している。このように熟考しながら生地や色彩を配置することで、彼らが理想とするフォルムをひとつひとつ刻んでいるのである。
個性的なアイテムを消化するには、物を見定める能力以上に、自分自身を見つめることが必要不可欠である。それは、他者(※広義の解釈で)を見ることで自己を知ることでもあり、互いが向き合うことでセンスは磨かれ、個人個人のよりよいパートナーシップが築かれていくのである。
Text:Tsuneyuki Tokano
photo:Masaki Sato
バッグパック
97,650円 [税込]
ショルダーバッグ
87,150円 [税込]
[問]BARNEYS NEW YORK SHINJUKU
Tel:03-3352-1200