quartz-head talk 05 藤原大輔によるエレクトロニックプロジェクトの新作は、icchieのダブミックスが施された独創的な作品
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まずは音楽エリート、藤原大輔のプロフィール。1996年にバークリー音楽院を卒業し、帰国後、ジャズを基盤においたジャムバンドphatを結成。自身はサックス奏者だが、この頃からクラブカルチャーに傾倒し、サンプラー、リズムマシン、アナログシンセなどを導入し始める。2003年に解散後、ソロ活動ではジェフ・ミルズやアンダーグランド・レジスタンス(UR)などのデトロイト・テクノ勢とも交流を深め、活動している。

そんな彼が、エレクトロニックを用いる活動の名義として始めたのがquartz-headである。これまで、トランス~アンビエントの世界を見せてくれたり、新しいテクノの形を聴かせてくれたり、常にその動向から目が離せなかったが、今作では、元デタミネーションズのicchieを迎えた全編ダブミックス!

と、ここまではコムズカシイ話。もちろんジャズ、テクノ、ダブ、アフロなどを融合した先鋭的音楽であることは間違いないが、曲を聴いていると、もっと根源的な何か、衝動的な何かが突き動かされていくような感じがする。ロービートとOmar Guaidefallによるアフリカンヴォーカル&パーカッション、そしてダブ。これだけだとかなり土臭いイメージかもしれないが、藤原のサックスとicchieのミックスのセンスで、プリミティブだが都市的に、絶妙なブレンドが成されている。

知的だけど、心の底の原始的なものも熱く刺激される。その重なりを巧みにあぶり出しているのがquartz-headの熟練のテクニックだろう。レゲエともジャズともアンビエントともつかない、素晴らしく独創的な1枚だ。

『re-gions』
quartz-head talk 05
(body electric records/east works)
7月5日発売

www.honeyee.com

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