07 6/1 UP
マイケル・ジャクソン「BILLY JEAN」、ビル・ウィザース「JUST THE TWO OF US」など耳になじみのある“名曲”をフェンダーローズのメランコリックな響きをフィーチャーしたジャジーなインストでカバーした1stアルバム『satisfaction』が、インディーズとしては記録的なセールスを更新中の猪野秀史。
その彼の1年ぶりとなるニューアルバムが遂にリリース。
『THE FORCE OF EXOTIC』と題されたこの4曲入りミニアルバムでは、前作のノスタルジックで物憂いニュアンスを引き継ぎながらも、トロピカルなテイストとダブ的な要素を全面に取り入れ、タイトルとおりのエキゾチックな南国フィーリングをオリジナル楽曲で展開。
とはいえ、いわゆるリゾート音楽的なイージーさは微塵もなく、むしろ前作以上にサウンドはデリケートな印象になっており、さりげなく耳にするだけでも、音の響きやメロディ、フレーズが絶妙なバランスで空間的にコーディネイトされていることが理解できる。
さらに前作との比較でいうなら、1stが「歌モノ」をキーボード主体のインストでカバーするという明確なコンセプトがキーボディスト/アレンジャーとしての猪野の姿を際立たせる結果になったのに対し、今作では、より総合的な視点で音楽をクリエイトする、コンポーザー/プロデューサーとしての彼の才能を作品として結晶化しているといえるだろう。
というわけで、今年の夏の「マイ・サントラ」はこれで決まり。
Text:honeyee.com