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ドリームズ・カム・トゥルーを信じて現実の幸せを掴みとることは、アメリカ人の強迫観念のように感じられることも少なくないが、本作などはまさにそんな映画。業界最々々末端のほとんどプー太郎男ブライアン・ハーズリンガーが、憧れのスター女優とデートにこぎつけようとする顛末を自分自身で記録したドキュメントである。
冒頭、「リスクを犯さないのは人生の浪費だ」なんて箴言(?)が冠せられるのだが、この勇猛果敢な言葉を吐いた人物こそがドリュー・バリモア。少年時代に『E.T.』('82)を観て以来、ずっとブライアン君の心の恋人であり続ける彼女であるが、その波瀾万丈の半生を思い返せば(名子役→麻薬中毒→自殺未遂→リハビリ→結婚・離婚→セクシー女優転身→清純派ヒロインに返り咲き!)、この言葉も即納得できるというものだ。
ゲーム番組で得た賞金を元手に、ブライアン君はまず家電量販店でビデオキャメラを購入。といっても1カ月以内に返品すれば全額戻ってくる保証制度をアテにしてるんであって、従ってミッションの期限もまた1カ月なのだ。乏しいコネだけをアテに、ドリュー周辺のセレブを数珠繋ぎ訪問。案外すぐに大物たちに辿り着くのは流石ハリウッドではある。『チャーリーズ・エンジェル』のプレミアにも偽造パスで接近を試みるが、しかしなかなか本丸までは辿り着けない。そのうち万策尽き、期限の1カ月が迫ってくるが……。
みんなに「しょーもないことを」と笑われながらも努力を怠らないブライアン君には、やはりドリューのファンである僕(笑)も頭が下る。結局デートがどうなるかは観て確認していただきたいのだが、いやぁ、やっぱイイ性格してるんだよなぁ、ドリューって!
Text:Milkman Saito