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マイケル バスティアンは、NYのバードルフグッドマンのクリエイティブディレクターとして活躍した後、2006年に自身の名を冠したブランドを立ち上げた、今話題のデザイナーである。
その服作りは、アメリカ的なベーシックなアイテムを、優れたブラディング能力でモダンにブラッシュアップするという切り口で展開している。 このような手法は、他社でもごく普通に行われていることであるが、彼が行う場合、その質や着眼点が、明らかに異なる内容となっている。
例えば、いかにもアメリカンカジュアルを象徴するヘビーデューティーなアウターをモチーフにある場合、今のマーケティングに即して作るのであれば、タイトなフィッティングにするのが常套手段であるが、それをうかつに実行すると、本来の持ち味を失ってしまうケースが多々ある。
そこでバスティアンは、オリジナルを吟味し、本質を見抜くことで、ベースとなる骨組みをしっかりと見極め、時代性であったり、セールスする上で足りない要素を、決して過剰ではなく必要な分だけプラスしている。
こうして生まれたコレクションは、シンプルな外観とは裏腹に、きめ細かく洗練され、デザイナーの意図やコンテンポラリーなムードをふんだんに宿している。
Text:Tsuneyuki Tokano
Photo:Masaki Sato