07 11/2 UP
2007A/Wシーズンの日本国内のメンズファッションシーンは、ロックテイストやLAカジュアルのブームが落ち着き、徐々にではあるが、トラッドの潮流が萌芽しはじめている。とはいうもの、実際のところ、アイテム単体はともかく、トラッドスタイルを全身丸ごとで提案されても、話が強引すぎるし、なによりもリアリティが大きく欠落してしまっている。
そこで必要になってくるのが、これまでの流れと今後の流行を結ぶ、モダンで汎用性の高いファッションアイテムである。
ニューヨークのブルックリンから発信されるラグ&ボーンは、今話題のトラッド系の新進ブランドとはまた違ったベクトルで展開されている。どちらかといえば、それ以前にブレイクしていたLAのカジュアルブランドに、NYの雰囲気とハイレベルなクオリティが加えられたかのような印象を受ける。また、このクラスのブランドの中でも、比較的落ち着いた価格帯であることも見逃せない長所だといえよう。
ここで紹介する2点は、まさにその傾向に該当する製品である。タフな生地で作られたチノパンツは、ジーンズのようなシャープなシルエットであるため、従来のものより気楽にコーディネイトに取り入れられることが利点を持っている。ジャケットに関しては、カジュアルでありながら洗練された部分もキープしているので、衣服としての利便性に長けている。
このようなアイテムをうまく使いこなせば、これまで安易に取り入れられなかったトレンドとの距離もグッと縮まるはずだ。
Text:Tsuneyuki Tokano
Photo:Masaki Sato