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国内外問わず、現在のメンズファッションの流行は、トップブランドによるリーダーシップだけでなく、目の肥えた消費者の厳しいジャッジによって左右される部分が非常に多く、シーズンごとに劇的に様変わりするのではなく、緩やかでありながら稀に見るハイペースで移行し続けている。これらの傾向と同時にトレンドやスタイルが多極化しているため、ファッションブランドの生き残りをかけた戦いは実にシビアになってきている。
その証拠に、この数年間グローバルなレベルでファッションマーケットを賑わせたアメリカ発のインディペンデントなカジュアルブランドも、それぞれが以前と異なる提案を掲げ、フレキシブルな動きを見せている。
NYを拠点に活躍するログス ギャラリーは、プリントTシャツを武器に台頭したブランドとして知られ、2007S/Sは新機軸としてポロシャツを中心に新作を打ち出した。
得意のTシャツと同様に、ディテールへのこだわりやハンドフィニッシュによる加工も健在で、ほどよくリラックスしたテイストに仕上げている。トータルコレクションの展開というありがちなステップアップに固執せず、あくまでひとつひとつのアイテムに特化するブランディングを守り通したことは、マーケットの現状から見ても正解なのかもしれない。
Text:Tsuneyuki Tokano
Photo:Masaki Sato