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ここ数シーズン、テーラードジャケットに続くアウターとして、爆発的な人気を集めているのがレザージャケットだ。特に市場で多く見られるタイプが、“ウオッシャブルレザー”を用いたショートブルゾンである。その証拠に、これにスキニージーンズとブーツが連なれば、今やストリートでもっとも支持を受けるコーディネイトが簡単にイメージできるはずだ。
この着こなしの賛否はさておき、これらのジャケットの根幹を支えるウオッシャブルレザーという素材を発案し、レザーアイテムの常識を覆した伝説的ブランドが、カルペディエムである。すべてのブームはここからはじまったといっても過言ではなく、革新的なコレクションは、多くのクリエイターに絶大な影響を与えてきた。
そのデザイナーであるマウリツィオ アルティエリの側近として手腕を振るっていたマウリツィオ アマディ氏が、究極のレザーブランドを創造すべく、満を期して、ma+(エムエークロス)を立ち上げた。
プロダクトへのこだわりは常軌を逸しており、膨大なリサーチの結果を基に、選び抜かれた素材とパーツを結合する全行程を100%ハンドメイドで行うという徹底ぶりを見せている。
完成した製品は、常人の想像力の範疇を遥かに超えた、圧倒的なクリエイティビティを有している。アマディのクリエイションは、自分自身と向き合い、レザーというマテリアルと対話することで、衣服の制作におけるひとつの極地点にまで到達している。
TEXT:Tsuneyuki Tokano
PHOTO:Masaki Sato