06 4/6 UP
80'Sリバイバルの波が静かに押し寄せつつある日本の音楽シーンの起爆剤は果たして何なのか。 DJ?トラック・メイカー? いや、その2つの才能が世界にひけを取らないほどに充実していることは、海の向こうから続々と届けられるレポートからも皆さんお分かりだと思う。では、一体何が? 人気ファッション・モデルにして、ミュージシャンの土屋アンナから届けられたリミックス・アルバム『Taste My xxxremixxxxxxx!!!!!!!! Beat Life!』はもしかすると、その解答と言える一枚なのかもしれない。つまり、必要なのはトラックに拮抗するシンガーという名のポップ・アイコンなのかもしれないということ。
そのオリジナルではオルタナティヴ~ヘヴィ・ロックへのシンパシーを表明し、コートニー・ラヴやガーベッジのシャーリー・マンソン、PJハーヴェイといった女性アーティストの流れを汲む彼女がリリースする本作は、Mondo Grossoの大沢伸一を筆頭に、CAPTAIN FUNK/TATSUYA OE、Yukihiro Fukutomi、MO'SOME TONEBENDER、Back Drop Bombら、10組の錚々たるリミキサー陣が参加。原曲をパンキーかつファンキーなトラックにざっくり差し替え、ニューウェイヴ・リバイバル~エレクトロクラッシュに呼応したリミックスを披露すると同時に、ハードなトラックに引けを取らない彼女の個性を際立たせているのだ。この作品を聴けば、彼らリミキサーが何を求めているのか、恐らく、リスナーの皆さんは一目瞭然だろう。ポップ・アイコンとしての土屋アンナ。思わぬところから飛び出してきた感はあるが、面白い逸材であると思う。
Text:Yu Onoda