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ドリス ヴァン ノッテンは、かの有名なアントワープ王立学芸アカデミーでファッション学を修め、1980年代には、アン ドゥムルメステール、ダーク ビッケンバーグらと共に“アントワープ6”と呼ばれ、一躍時代の寵児となったファッションデザイナーである。デビューから20年以上の歳月が流れた今も、安定した実力を人気をキープしている。
さて、このクラスのデザイナーの領域ともなると、ファッションの創造におけるありとあらゆる分野に精通しているのは当然として、誰にも負けない自分だけの武器がなければ、長いスパンで活躍することは到底不可能である。彼が厳しいプレタポルテの世界を勝ち抜けた理由に、“テキスタイルへの確かな造詣”と“洗練されたレイヤードの提案”が挙げられる。
今季のランウェイにおいても伝統なスタイルを重んじながら、まさに適材適所といった具合で、分かりやすく意図的に、数々の柄・素材・ディテールをスパイスとして注している。これらの実現に貢献した立役者達が、バリエーション豊富なマフラー&ストールらだ。ブランドの持ち味だけでなく、今のフィーリングもふんだんに楽しめる優れたファッションアイテムなのである。
Text:Tsuneyuki Tokano
Photo:Masaki Sato