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空前のデニムブームと連動し、この数年異常な盛り上がりをみせる“アメリカ発のTシャツブンド”。それ以前までのテイストを完全否定するかのような、シャープなシルエット、薄手の生地感、凝りにこったユーズド加工&プリント、と傾向は具体的かつ分かりやすい。その反面、ポイントを押さえてしまえば、誰でも似たようなモノを作り出せてしまうので、個性を打ち出すのはなかなか難しいというのが現状である。
大半の作り手がビジネス重視でトレンドに流されていく一方、強い作風で勝負を仕掛けるニューカマーがNYのバーキング アイロンである。1STコレクションが全米のバーニーズで展開されるなど、実力はすでにお墨付き。19世紀のマンハッタンカルチャーにインフレンスされて創られるグラフィックは、いい意味で毒々しくパンチがある。ボディも過剰なダメージを与えたりする行為はなく、ごく普通なところも感度が高い。他にはない絶妙なサジ加減にセンスが感じられる。
Text:Tsuneyuki Tokano
Photo:Masaki Sato
Photo:Masaki Sato