恵比寿に場所を移してからも、こだわりのライヴや企画ものパーティなど、一線を画す内容が人気のライヴハウス、リキッドルーム。1階メインフロアのライヴで汗をかいて盛り上がったあと、とりあえずゆったりしている2階でチルアウトする。なんて感じで利用していたけど、よくよく考えると2階のこの広いスペース、眠らせておくにはもったいない。
ということで、「リキッドルームの2階」というアイデンティティを発揮すべく、新たにLIQUID LOFTという名称で多目的スペースがオープンする。どんな場所になるのかというと、オープンニングパーティの内容を見ると、おのずとその性格が透けて見える。
2日間用意されているオープンニングパーティの初日は、いきなりモーリス・フルトン! ディスコ・ダブハウス人気のなか、グイグイと変態的サウンドをひっさげ、リキッドルーム自体にも何度も登場している。特に日本人の奥様とのユニットMUでは、宇宙的ビート&シャウトで果てしない広がりのある世界に連れて行ってくれる奇才である。「BACK TO LIFE」と題されているので、きっと彼の音楽の歴史をかいま見られることだろう。それこそ恐ろしいことであるけれど……。
二日目は「BACK TO ROOM」。こちらは今後ミュージシャンに限らず、様々な音楽好きをホストに迎え、“その人の家でゆっくりダラダラ酒を飲みつつ音楽を聴いている感“を演出する。つまり誰でも週末に友だちの家でよくやっているようなユル〜イパーティなのである。だって初っぱなからホストがスチャダラパーのアニ。シンコではなくアニ。スチャのライヴではなくアニのDJ。心意気がわかってもらえるでしょうか。リキッドルームの名物イベント「ハウス・オブ・リキッド」の対極ともいえる、新しいスタイルのパーティとなりそうだ。
もちろん多目的スペースなので、音楽パーティだけではなく、まだまだいろんな企画が待ち構えている。リキッドルームに行く目的がまたひとつ増えた。
Text:Tomohiro Okusa