これまでマスターマインド・ジャパンは、世界を制した物作りのロジックを武器に、数々の企業とのコラボレートを行ってきた。そのキャリアは、ファッションブランドを中心に、ディズニー、NTTドコモ、ゴヤールなど多岐に渡る。今回パートナーシップを結んだのは、カスタムバイクブランド・レッドブロ。製作したのは、ヤマハMAXAM CP250をベースにしたカスタムスクーターである。デザイナーの本間正章氏に経緯を尋ねたところ、お互い全く認識がない上に完全な異業種という距離感から製作がはじまったのだそう。
「半年ほど前に、共通の知人から夜の席で『レッドバロンとなにかいっしょにやってみれば?』なんて話題が出たんです。それがここまで話が発展してしまって(笑)。衣服ではなくスクーターを作るということもありましたが、いつも通り、これまでにないものを手掛けたいことが前提にあったので、服作りと一貫した考えでデザインしました。さすがに途中経過は山あり谷ありでしたが(笑)、最終的に課題点や業種間の距離を埋めれたのは、共通して持ち合わせていたプロとしての妥協をしない姿勢だったと思います」。
かくして車両は、3月31日から開催された第33回東京モーターサイクルショーにて発表となった。主なカスタムのポイントとして、ブラック&ゴールドを基調としたカラー、前後のバンパー、スカルのリアストップランプ、斬新な形状のマフラーなどが挙げられる。
「実は、僕らも完成した状態を見るのは、今日がはじめてなんですよ(笑)。洋服が仕上がってくる感覚とは違う充実感がありますね。当初のイメージを上回る120%の出来だと思っています」と本間氏は語った。今後は、マスターマインド・ジャパンの都内取り扱い店舗での展示も行われる予定とのこと。これを記念して、WネームのTシャツも発売された。
この異色のプロダクトが、それぞれが活躍するファッション⇔モーターサイクルの世界において、どのような評価または反響を得れるのか? さらには、ジャンルの垣根を超えてクロスオーバーするにまで至るのだろうか?? その結果は、数カ月後のトレンドを確認することでおのずと見えてくることだろう。