05 11/18 UP
もはや「伝説のカリスマ・スケーター」といった肩書きは必要ないほど、音楽シーンにおいても唯一無二の存在感を発揮するトミー・ゲレロ。友人であり、所属レーベル〈galaxia〉のオーナーでもある映像作家・トーマス・キャンベルのサーフムービー『Sprout』のサウンドトラックのためにジャック・ジョンソンらと組んだSprout House Bandに続く、トミーの新たなプロジェクトが、彼と同じくプロ・スケーターにしてミュージシャンであるレイ・バービー、マット・ロドリゲスとともに結成した、このBLKTOP PROJECTだ。
メランコリックな表情を漂わせるトミーのギターをフィーチャーした極上のレイドバックサウンドは相変わらず。けれど、このBLKTOP PROJECTでは、さらに深くリラックスした空気を感じさせる。それもそのはず、この作品のテーマは〈旅〉。
「ナショナル・ジオグラフィック(ネイチャー系の雑誌)で、シカゴからニューオーリンズ辺りのブルースのアーティストの特集をしてる記事を読んで、旅をしながら色んなアーティストと音楽を作っていくって面白そうだねって、僕とトミーとティムとで、話しをしたんだ」とレイ・バービーが語るようにルーツを探る 旅をイメージして作られたトラック(実際に何曲かは、旅の中で作ったものだそうだ)は優しくノスタルジックなバイヴを伝える。
うわべだけの〈ハッピー〉ではなく、心の深い部分で感じる〈ピース〉を表現した、実に彼らしい作品集だ。
Text:Tetsuya
Suzuki