05 10/25 UP
2005 S/Sのランウェイでのデビューから、早くもミラノメンズコレクションの顔ともいうべき地位を獲得した、モード界の異端児<アレキサンダーマックィーン>。
ショーでは圧倒的な表現力、完璧なまでの構築性が目立つが、彼のクリエイションの基盤は、実はサビルロー仕込みの“テーラリング”にある。この下地があることによって天才的なイマジネーションの具現化が可能となるのだ。
この秋冬コレクションから、その卓越したテクニックを分かりやすく体感できるアイテムが、たとえば、このテーラードジャケットとピーコート。
確かにコレクションを彩るデコラティブな作品も彼の持ち味のひとつであるが、シェイプのよさが重要視されるミニマムなアイテムにこそ、本場で培ったテーラーとしての力量が最大限に発揮されるというもの。
そこには、表面的な装飾美をはるかに超えた、マックィーンならではのユニークで力強い主張が込められている。
Text:Tsuneyuki
Tokano