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THINK PIECE

bonjour colette.

フランスと日本の新しい才能を集めた、珠玉のコンピレーションアルバム

14 4/25 UP

photo: Satomi Yamauchi
text: yk

音楽を軸に様々なカルチャーを提案し続けるbonjour recordsと、パリを代表するセレクトショップcoletteが、
フランスと日本の新しい才能を集めたアルバム「bonjour colette.」をリリース。bonjour recordsバイヤー上村真俊と、
coletteバイヤーClément Vachéがセレクトを手がけた今作は、両国のニューカマー達によるフレッシュ&クリーンな
最先端のポップソングを余すところなく収録。エレクトロ、チルウェイブ以降のシーンの動向、
そして東京とパリの共鳴が伺える、珠玉のコンピレーションアルバムとなっている。

 

──
今回の”bonjour colette.”というプロジェクトはどのようにスタートしたのですか?
Clément (以下:C)
「もともとbonjour recordsとcoletteは長い間親しい関係にあって、今回はこれまでのフレンドシップを表す何か特別なプロジェクトをやりたいと思ってスタートしたんです。上村さんは日本の音楽シーンを熟知していますし、私はフランスのシーンに理解があるつもりでいたので、お互いの興味や感性を持ち寄って、一枚のコンピレーションアルバムを制作することにしました」
上村 (以下:U)
「coletteが昔から出しているCDを国内ではエクスクルーシヴでbonjour recordsで販売させてもらったりしていて、それこそ10年以上の付き合いなんです。ただこれまでは今回のようなコラボレーションをしたことがなかったので、これを機に新しい動きができればと考えています」
──
フランスと日本の新しいアーティストにフィーチャーするというコンセプトはどのように決まったのですか?
U
「状況的には皆が知っているようなビッグアーティストをピックアップすることもできたのですが、coletteのファンはcoletteのセレクションに対して絶対の信頼があるので、例えばそこでピックアップされているアーティストが全く知られていなくても、

coletteがセレクトしたということで信用して買っていくんです。bonjour recordsもそのような位置づけにあると思いますし、お互いにこれまでずっとそういうことを続けてきたので、今回のCDでも東京とパリのそれぞれで僕達が提案する、これからの新しいアーティストを打ち出したかったんです」
──
楽曲やアーティストをセレクトするにあたって、基準としていたものはありますか?
「僕自身、ハウスやエレクトロだけでなく、ヒップホップやインディーロックも含めて、フランスの様々な音楽シーンに属していますし、興味があるんです。なので、今回のセレクトをするにあたっても、様々なジャンルからアップカミングなアーティストをピックアップしたいという思いがありました。中にはどのレーベルともサインをしていないような新人もいますし、例えばDariusはまだ誰にも知られていないかもしれませんが、一年後には世界的な人気を獲得していると思います。このCDが、それぞれのアーティストがブレイクを果たすきっかけになれば幸いですね」
U
「日本サイドでもそれは同様で、Ykiki Beat、Boys Get Hurtなどは、まだどことも契約していないアーティストです。このCDはbonjour recordsだけでなく、当然パリのcoletteでも売られているので、世界中からcoletteに買い物にきた感度の高い人達が、全くの新人アーティストの音楽を聴く機会になるということも面白いと思うんです」

 

──
その一方で、KZAさんはこの中で言えばベテランアーティストと呼べるのではないでしょうか?
U
「そうですね。ただ個人的に、今KZAさん自体が面白い位置にきているような気がしていて、そういった個性的で実力のある日本人アーティストも入れたかったんです。完全な新人アーティストからKZAさんのようなアーティストも同時に収録することで、シーン的な意味でも面白いですし、クオリティのバランスも取れると思いましたね」
──
Clémentさんは上村さんがセレクトされた日本人アーティストの楽曲を聴かれて、どのように感じましたか?
C
「フランスには美味しい食事とワインがあってそれを大切にしているように、日本にも素晴らしい料理と日本酒がありますよね。そういった文化的な繋がりも感じますし、僕達と同じように音楽に対して熱心だと感じていたので、日本人アーティストの楽曲にはすごく興味があったんです。これまでも上村さんは僕が日本の新しいバンドやアーティスト見つける手助けになってくれていましたし、今回に関してもSapphire SlowsやKZAといった個性的でフレッシュなアーティストを紹介してくれましたし、ポップなインディーバンドからディープなトラックメーカーまで、すごく幅広い音楽をセレクトしてくれました」

──
新人アーティストのピックアップという以外にも、”桜”がコンセプトの一つとなっていますね。
U
「正直に言うと、4月にリリースされることになったのは偶然だったのですが、桜が持つフレッシュなイメージが、新人アーティストに対してピッタリだと思ったんです。入学式的なイメージもありますしね(笑)。ジャケットはフランス盤ピンクと日本版のブルーで2種類作りました。アートワークはcoletteのサラがかねてから大ファンだったフランス人アーティストのGenevieve Gaucklerという方にお願いしました」
──
bonjour recordsとcoletteはこれまでにも長いお付き合いがあるとのことですが、お互いのどういった部分に共感やリスペクトをするのですか?
C
「たくさんあると思いますが、一番大きなことはアンダーグラウンドのシーンをしっかりとサポートしようとする姿勢でしょうか。才能があっても無名なアーティスト達が誰かのサポートがなければ表舞台に立つことは難しいことなので、coletteは昔から長い間、若いアーティストやクリエーターを支援する活動を続けてきました。それがアーティスト自身の才能を開花させるきっかけになることもありますし、