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ベルリンの大手インディースレーベルStudio !K7によるミックスCDシリーズ「DJ-KiCKS」。テクノ、ハウス、ヒップホップからクラブジャズまで、ジャンルの振れ幅は大きいものの、旬なアーティストをピックアップする絶妙な人選で、現在クラブシーンで最も影響力のあるミックスシリーズの一つとなっている。

そして、その最新作のコンパイラーに抜擢されたのがイギリス人と日本人ハーフであり、現在若干24歳のフィメールDJ、Maya Jane Colesだ。2010年にリリースされたシングル"What They Say"が大ヒットし、一躍新世代ハウス・シーンのブライテスト・ホープとして躍り出た彼女。音楽性はもちろん、その端正なルックスと個性的なファッションセンスも手伝い、ヨーロッパのみならず日本でもファンが多く、昨年の初来日公演も大盛況となった。

今作ではグルーヴを重視したミニマルなトラックを中心に、徐々にビルドアップしていくというスタイルを披露。Marcel DettmannやJimmy Edgar、Kris Wadsworthらのディープな楽曲を一つ一つ紡ぐようにミックスし、それら全てを通して彼女独自の世界観を表現している。

もちろん、本シリーズのお決まりとなっているエクスクルーシヴトラックも必聴。今回はMaya Jane Coles名義と、彼女のダブステップ・プロジェクトであるNoctual Sunshine名義での楽曲がそれぞれ収録されており、どちらも新世代の到来を十分に感じさせるニュータイプな楽曲となっている。さらに、ダンスミュージックとは異なる切り口で制作したオリジナルアルバムのリリースもスタンバイしているようなので、今後ともますます彼女から目が離せない。

text: yk