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すでにコレクションの中核を担うアイコニックなアイテムの一つとなったサンローランのレザージャケット。代名詞的な存在であるライダースも相変わらず魅力的だが、ここで注目したいのが、スウェードのウェスタン調のジャケットである。

1968年でのオートクチュールのコレクションの発表以降、スウェードは、メゾンの歴史を飾る数々の名作を世に送り出した素材として取り扱われているが、この新作のジャケットは、こうしたストーリーを継承しつつ、きめ細かいゴートスキンを独自の技法を用いて、見た目も着心地も柔らかな1枚に仕立てているのが特徴だ。いうなれば、レザージャケット特有の重さを限りなく省いた軽やかな作りが魅力なのである。そのため、クールなブラックであっても十分なリラックス感を持っている。

素晴らしい完成度からも、今後はパーマネントアイテムとして展開していく予定とのことだが、稀に見る鮮度を持つレザージャケットは、この春にこそぜひとも押さえたい。

text: Tsuneyuki Tokano
photo: Masaki Sato