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人気のコラボレーションシリーズ「アー・ペー・セー + カーハート（A.P.C. + Carhartt）」から、ミリタリータイプのウォッチが登場。

やや小振りの35mm径のNATOタイプのナイロンストラップは鉄板のコンビ。ケースは極めてシンプルな作りだが、それとは裏腹に文字盤は実に個性的だ。ジミ･ヘンドリックスの同名の曲からインスピレーション を受けて『If Six was Nine』と名付けられたモデル名のように、入れ替えられた文字盤の数字は、時間の感覚を狂わせる錯覚を呼び起こす。困惑しながら時計を見ると、なによりも力強く時を刻むのは、イエローのストレート針の秒針であることに気がつく。

安定した価格設定にしていることもこの時計の大きな特徴だ。世界最大規模の時計市場である香港を中心に、飛ぶように売れている高級時計に対して、真逆の路線を意図して作られた時計は、あらゆる意味でタフであり、ストリートで成功することは請け合い。つまりは完売必至の傑作なのである。

photo: Masaki Sato
text: Tsuneyuki Tokano