honeyee.com｜Web Magazine「ハニカム」

いわゆる古着屋の枠に収まらない幅広いユニークな商品構成が内外で注目される中目黒の名店「ジャンティーク（JANTIQUES）」。オーナーの内田斉が約2年前から大切に企画しながら展開しているのが、希少なアンティークのミリタリーウォッチである。現在ではオリジナルのウォッチバンドも同時に販売している。

写真の左から2番目に並ぶアメリカ陸軍航空隊に供給されていた『A-11』は、企画のスタート時から内田が買い集めているモデルで、入荷連絡を待つ顧客が断たない程の人気を集めている。個体やメーカーによって仕様の違いがあり、スモールセコンドが付くタイプなど、いくつかのバリエーションが存在している。右端の『A-17』は、1950年代に生産されていたモデルで、1940年代のものに比べて、時計としてのクオリティが向上している点が特徴として挙げられる。

その一方で、内田が新たに注目しはじめているのが、ヨーロッパの軍隊などが使っていたスイスメイドの時計である。左端の「ランドー（LANDAU）」の時計は、ムーブメントに17個のルビーが入り、時計としてのクオリティが保証されており、赤い秒針や文字盤の雰囲気も抜群。さらに個性的なモデルが、この4点のうち一際ケースが大きい「ロンジン（LONGINES）」社製の時計だ。これは懐中時計を腕時計としてカスタマイズしたもので、元の塗装が剥がれたシルバーの文字盤が不思議な魅力を放っている。

どのモデルも共通していえることは、時計としての希少性もさることながら、ファッションと絶妙にフィットするセンスがあり、これこそが「ジャンティーク」の優れた提案力の成せる技なのだと言える。このアンティークウォッチの企画は、今後も新しい展開を予定しており、次の提案が今から待ち遠しい。

photo: Masaki Sato
text: Tsuneyuki Tokano