12 6/29 UPDATE
ファッションアクセサリーとして根強い人気を集めるセルフレームアイウエア。この"セル"とは"セルロイド"の略なのだが、今現在、実際にセルロイドを使ったセルフレームは実はほとんどない。理由としては、セルロイドは可燃性が強く危険で扱いが難しい。それ故セルロイドを使用する工場はそれなりの設備と職人技術が必要で、(余談だが)保険も高くつく。価格をなるべく抑えて大量生産するためには不向きな素材というわけだ。なので、今はプラスチックの一種であるアセテートを代用するのが主流だ。ということは、本当はアセテートフレームもしくはプラスチックフレームと呼ぶのが正しいか。なんだかそれもちょっとチープ......。
さて、そこで注目してほしいのが、このところ各方面で人気を集め話題となっている日本のアイウエアブランドayame。このブランドもこれまではアセテートを使っていたのだが、新しいコレクションではセルロイドにシフト。つまり、"本物の"セルフレームのアイウエアを展開しているのだ。アセテートとよりもセルロイドの方がしっとりと深い艶感があり、上質感は確実にワンランク上。品のある高級感が漂う。わずかな差かもしれないが、アイウエアは否応無く視線が集まるアイテムだけに、その微妙な差がモノをいう。この違いは本当に大きいのだ。
ちなみに上段の3つは、その昔レイバンが日本の工場でサングラスを作っていた際、その工場を統括していた人が監修に入って完成したものなのだとか。クラシックな趣があるがトレンドに左右されず、オーセンティックで不変的な魅力を備えているのはそのため。
クラシカルな雰囲気が格好いいという表面的なことではなく、その源流にある本質的な魅力を捉え、現代に合わせて編集し直したアイウエアデザインを展開するayame。シーンに一石を投じるグッドプロダクションに、胸が躍る。
photo: Masaki Sato
text: Jun Namekata