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モード最高峰のクリエイションとクオリティを誇り、後続のブランドに多くの影響を与え続ける「ma＋」（エムエークロス）。

先日、世界中の取引店のうち、特に親交の深い5店舗で『Λ+V』（アクロスファイブ）と銘打たれたイベントが行われた。それはma＋の過去の作品から厳選されたピースを、素材の選定を中心にして受注販売を行うという試みであった。現在リフトエタージュでは、この受注におけるマスタピースとなったサンプル数点の販売を行っている。

写真左の麻のワイドパンツは、「フルハンドステッチ」という、このブランドらしいアプローチで製作された1枚。強度を高めることを目的に比較的厚手の素材を使用している。隣に並ぶ、異なる厚さのリネン2枚で仕立てられたロング丈のジャケットは、製品染めの仕様であるため、着込むとレザー並みの経年変化が楽しめる。着心地もニット並みに快適である。バックジップのスタイルのブーツは、定番モデルのエンジニアタイプと比べて、よりライトな印象。細みでインステップが低めであることも特徴である。

モードの世界ではめずらしい、いわゆる「一点もの」というスタイルでの販売は、ユーザーと商品をより強く結ぶ可能性を持ち、新しいセールスの方法としても注目に値する。

photo:Masaki Sato
text:Tsuneyuki Tokano