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意識、知能、知覚は健全なまま全身の筋肉が徐々に衰えていく国指定の難病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の患者である藤田正裕(ヒロ)が、未だ治療法が発見されていないALSの認知、理解促進を目的として、自ら絵画のモデルを務める写生イベント「I'M STILL」を5月25日(水)にGOOD DESIGN Marunouchiで開催する。
一昨年夏に行われたALSアイスバケツチャレンジでは、パフォーマンス自体は話題となったものの、ALSという病気についての理解はあまり広がらなかった。それをふまえ、株式会社マッキャンエリクソンのプランニングディレクターであり、一般社団法人END ALS創設者でもあるヒロは、この難病の特徴である「動けなくなる」ということを伝えるべく自ら絵画のモデルに挑戦するプロジェクト「I'M STILL」を企画した。彼は現在、人工呼吸器を装着し、車椅子で生活している。気管を切開しているため声を出すこともできない。それでも生き続けていることを一言で表したのが「I'M STILL」というタイトル。静物画を指す美術用語「Still - life」等で用いられる「静止している」という意味、「I'M STILL ALIVE(オレは「まだ」生きている)」というメッセージを込めたダブルミーニングだ。
今回のイベントでは、事前に申し込んだ人がヒロをモデルとして絵を描き、仕上がった作品をギャラリーの壁に飾っていく。絵の描き手はすでに応募多数で募集が締め切られたが、写生イベントは見学が可能。イベント終了後には作品鑑賞の時間も設けられている。また、描かれた絵はEND ALSに寄付され、今後、ALSの認知を高めるための広告ビジュアルなどに使用される予定。なお、5/28(土)にはFC岐阜ホームゲームにおいてFC岐阜前社長の恩田聖敬がモデルとなる「I'M STILL in GIFU」を開催。「I'M STILL」プロジェクトは今後も継続して展開される。
text: Ryu Nakaoka
「I'M STILL」
(※絵の描き手の募集は終了しています。写生イベント、作品鑑賞には自由に参加可能です)
日時:5月25日(水)12:00〜17:00
写生 12:00〜14:00(藤田正裕在廊)
完成作品鑑賞 14:00〜17:00(藤田正裕不在)
会場:GOOD DESIGN Marunouchi
東京都千代田区丸の内3-4-1新国際ビル1F