2015 8/03 UP
photo: Akiko Isobe text: Eiji Kobayashi
火薬を使った大規模なインスタレーションで知られる現代アーティスト、蔡國強。
2008年の北京オリンピックで開閉会式の視覚特効芸術監督として担当した花火は
世界で20億人が見たとも言われ、近年行われている各地での回顧展は美術館の入場者数記録を
軒並み更新するなど大きな成功を収めている。そんな彼が、ニューヨークを拠点に世界を
股にかけて活躍する以前、芸術家を志した若き日に約9年間を過ごした日本は、彼にとって
重要な土地であったことはよく知られている。それから20年、国内では7年ぶりとなる
大規模な個展「帰去来」が横浜美術館で開催中だ。洋の東西の垣根を超えて世界中で
愛される彼の芸術の真骨頂と新たな可能性が交錯する、見応えのある展示となった。